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トップページ > 注目企業インタビュー > #007 株式会社仙南情報技術センター
注目企業インタビュー
このコーナーでは、システム開発や情報サービス提供等で、「地域の情報化」に取り組むIT関連業種において、注目を集める話題の企業さまに突撃インタビューを行い、会社の独自性や将来について深く語っていただいた内容を掲載しています。
 
地域プロバイダの枠を越え、高度な技術に裏打ちされた 信頼されるIT総合企業へ
 
 平成9年にインターネットサービスプロバイダ(以下、プロバイダ)「JETINTERNET」を設立し、平成13年には株式会社仙南情報技術センター(以下、JET)へと組織変更。
  地域プロバイダからネットワーク事業者・システムインテグレータへと躍進するJETの晋山(しんやま)社長と相良(さがら)取締役に、会社設立から今日までの道のり、そして今後の事業展開などのお話を伺った。
 
『アクセスポイントがないなら、自分で作るしかない!』
 

 まずはじめに、会社設立のきっかけをうかがった。

 晋山社長がインターネットを使い始めた当時(平成7年)、仙南地区でインターネットを使う場合、仙台のアクセスポイント(※1)に接続する必要があった。その頃はダイヤルアップ接続(※2)であったため、仙台市内の場合に比べ約2倍もの通信料で、毎月数万円がかかっていた。
 「どうにかならないものか・・・」と、各プロバイダに仙南地区へのアクセスポイント開通について問い合わせても、「未定(予定すらない)」という返答ばかり。

 「なら自分で作るしかない!」と一念発起し、アクセスポイント設置について調査を開始。建築の仕事に携わっていた時に、プログラムを作るなどの経験はあったものの、通信ネットワークやサーバ構築に関する知識などはなかったが、東京のプロバイダのサポートを受け、平成9年5月にJETINTERNETを設立し、アクセスポイントの開設を実現する。そして、1ヶ月の試験運用を経て、6月には「地域で一番安い」をウリに本格運用を開始。

 JETINTERNETの“JET”は、“速い”イメージが伝わる言葉を選んでつけた。当時インターネットに一番求められていたことは“速くつながること”で、「快適なインターネット環境を提供できるプロバイダになりたい」という思いも込められており、組織変更後もサービス名として使っている。

 その後、より迅速かつ柔軟に対応できるプロバイダを目指し、サポートに頼らず自社で運用する手段の模索を始める。
 「雑誌に“できる”と書いてあるならできるはず」と、リリースされたばかりのLinuxなどを使い、社内のスタッフが独学で、ネットワークやサーバを設定し、サービス環境を構築する。
 そして運用開始から1年後の平成10年には、自社で構築したサーバに切り替え、サービスを開始。

  プロバイダの加入数は、約2,000。高い技術力と、きめ細かいサポートにより、仙南地域を中心に“顔が見えるプロバイダ”として信頼を得ており、この加入者数を維持している。
 「新規加入いただける方は、ほとんどが紹介です」と晋山社長。

 
写真:自社で構築したサーバ等の機器
自社で構築したサーバ等の機器
「プロバイダとして通信ネットワークを管理・運用することで、信頼性・安全性のあるネットワークの知識と技術を蓄積できるのだと思います。
 ネットワークは迅速な対応が求められるものですから、1県に少なくとも1つはプロバイダを残す必要があると思っています。」

と話す晋山社長は、(社)日本インターネットプロバイダー協会の地域ISP部会 副部会長も勤めている。

JETは
心をこめた技術をもって人々の幸福と社会発展に貢献する。
多様化する市場のニーズを先取りし、機能的なシステム、革新的なテクノロジーを常に提供しつづける事によって社会の充実に貢献する。
社員に生きがいと充実した人生を築くための場を提供する。
という理念のもと、精力的に事業を行っている。
 
 事業内容

ISP・ASP・ホスティング事業

光回線および電話回線によるインターネット接続サービス(主に法人向け)/Webアプリケーションサービス/各種サーバのホスティング・ハウジング

ネットワーク・サーバ構築事業

ネットワーク設計/LAN・VPN構築/Linuxとオープンソースを中心にしたサーバ構築

Webコンテンツ・システム開発事業

Webコンテンツの構築/専用システムの開発

コンサルティング・サポート事業

技術コンサルティング/トータルネットワークサポート

 
『緻密に計算、緻密に検証、そして最後に勇気!』

 JETのキーパーソンは、取締役COO兼技術営業の相良耕市さん。
 相良さんは、会社設立してまもなく、営業で事務所をあけることが多かった晋山社長が、アルバイトを募集したときに、JETのスタッフとなった。

 JETのスタッフとなる前から趣味でホームページの作成・公開をしていて、「仙南地区にアクセスポイントはないのだろうか」と、晋山社長と同じ悩みも抱えていた。

 JETという会社を選んだ理由について、
「学校に行くより好きなことをして、それでお金をもらえるなら、こんな幸せなことはない、と思ったから」。

写真:
JETのキーパーソン 相良さん
 
 サーバや通信ネットワークの仕組みに興味を持っていたため、JETでサーバを思う存分使い調査・研究できたことが本当に楽しかったとのこと。
 自社でサーバを構築する際には、Webや雑誌で少ない情報を集め、独学でLinuxのインストールから設定を行うなどして完成させた。

試行錯誤の連続で、休日は月に1〜2日という時期もあったが、
“休みが少ない”とか“給料が少ない”などとは全く感じずに、“やりたいこと”をやっていただけ。サーバを構築し、インターネット接続に成功したときにはとても嬉しかったです。
と相良さん。

 より快適な環境をユーザに提供するため、サーバの設定変更やシステムの入れ替えを実施することがあるが、たったひとつの操作を間違っただけで、ユーザの環境を全て消してしまうなどの恐れもある。

初めは“本当に大丈夫だろうか・・・”と、夜も眠れないこともありましたが、経験を積み重ねてきたことにより、セキュリティと使い勝手のバランスなど、勘もついてきました。
少しのリスクはあっても、“いつかはやらなくてはいけないこと”なので、緻密に計算し、緻密に検証したら、あとは勇気です!

これまで、ソフトウェア的なトラブルやセキュリティホールへの攻撃を受け、サービスを停止したことは一度もありません。それが大きな自信になっています。
とも誇らしげに語ってくれた。

そんな相良さんについて、
とても吸収が早く確実に自分のモノにしていくので、どんどん課題を与えました。
しかし、同じ環境を与えたからと言って、誰でも独学でこれだけの技術をつけ、成長できたとは思えません。
優れたセンスを持っていたのだと思います。それと“好きこそ物の上手なれ”ですね
と晋山社長。

 社内で使用しているユーザ管理システムやグループウェア、Webと連動しているデータベースや検索機能なども、オープンソース(※3)を使って自社開発したもの。
  また、使用しているシステムに不具合があれば、すぐに別のシステムを検証し切り替えを行うなど、機能と品質の向上のため、より高度な技術の習得と挑戦を続けている。

私の技術スキルの向上と共に、この会社も大きくなってきた感じがします。そのせいか、会社自体に一方ならぬ思い入れがあり、私の志も常にこの会社と共にあります。

昨年までは、“スキル=技術”だと思っていましたが、“技術バカ”にならないために、経営や営業の勉強もしています。“人間のスキル”としては、そういった知識や経験も必要ですから。

と語る相良さんは、今年から取締役というポジションにつき、晋山社長とともにJETを支える経営者として、更なるスキルアップを目指している。
 
 
プロバイダ事業は現在、全体収益の約半分を占め、約半分はネットワーク構築事業やシステム開発事業が占めている。

 2005年5月には、Webブラウザを使用し安全な転送を提供する「Sendfile」を開発。
 このSendfile開発に至ったいきさつについて、晋山社長は次のように話す。

多くのユーザをサポートしてきた中で、重要な個人情報やビジネスで使う書類の受け渡しに、“メールに添付して送る”という行為が思った以上に簡単に行われ、メールに過大な信用をおき安全視されていることを危惧していました。
電子メールは、今ではインターネットサービスの中心的役割を担っており、“メールを使えなければ業務も成り立たない”状況になっているが、電子メールの仕組みはインターネット黎明期からほとんど変わっておらず、“丸見え”であり、安全面は皆無と言っていい状態なのです。

そんな状況の中で、何とか「ハガキ」を「封書」や「小包」に出来ないものかと考えた結果が、このシステムです。


  通信ネットワークの管理・運営で培った高度な技術と、プロバイダならではの視点が生み出した、JETならではの製品である。もちろん、サーバ構築・プログラム開発・運用・監視・保守の全てを社内のスタッフのみで行っている。

Sendfileの特徴

メールに添付してのファイル送信やインターネットストレージサービスにおける、セキュリティや容量、パスワードの配布といった課題を解消し、大容量でも心配なく利用できるのが特長のファイル転送サービス。
特定のサーバや自身のディスクエリアにデータをアップロードし相手にダウンロードしてもらうのではなく、SSLのもと相手のディスクエリアに直接データを送信する。

また、アドレスリストに登録してあるユーザ以外からはデータの転送ができないため、知らない相手から不信なデータが届くこともないという。

なおSendFileサービスを利用していない相手とのやり取りには、SendFile利用者自身のディスクエリアを使ってデータを送受信することもできる。

※詳しくは、「SendFile」のサイトをご覧ください。


このほか、発信者番号情報検索表示システム「IPOP(アイポップ)」も開発し、販売している。
 
 
『地域プロバイダの枠を越え、高度な技術に裏打ちされた信頼されるIT総合企業へ』
 
 JETのスタッフは現在、技術部の5名、営業・サポート部の4名、総務部の2名、役員2名の計13名。

 技術部のスタッフのほとんどは、専門の学校などを出ていないためサーバやネットワークの知識や技術はなかったが、“思いついたことは、すぐ実践できる”環境の中で、高い技術力を身につけ成長してきた。
 一人ひとりが自分の仕事は自分で見つけ、全事業の開発部分をスタッフがフル稼働でこなしながら、新しいことにも挑戦し、相良さんのような技術者が続々と育ってきている。

 「実際に稼動しているシステム、ユーザに使われている環境に触れることは、勉強になるしとても面白いのだと思います。」と晋山社長。
写真:事務所内の風景
事務所内の風景
   
 営業・サポート部のスタッフは、営業からカスタマーサポートやコンサルティング、ネットワーク・サーバの構築までをこなす。客先でネットワークを構築しトラブルが解決した場合など、お客様に満足いただき次の仕事につながることがあるからだという。

最後に、晋山社長に今後の構想や事業展開について、力強いお言葉をいただいた。

“企業は人なり” 物や金、システムが整っていても、組織を動かすことはできません。
全てのものを越えてやはり人間は偉大です。平凡な人間が集まることによって、非凡な事を成し遂げられるような企業になっていきたい。

地方ではIT技術者が残っていけない現状は、情報格差が生まれる要因の一つ。
営業所は仙台にあってもちょっと難しい質問だと東京に問い合わせるとか、ネットワーク・サーバの構築を行うときのコストのほとんどが、出張費だったりするのはナンセンス。
われわれは、いつでも側にいて相談に乗ることができると信じています。

さらに、Linuxなどのオープンソース系のソフトウェアを使ったシステム開発やサービスを提供し、地域プロバイダの枠を越えて高度な技術に裏打ちされた信頼されるIT総合企業を目指します。

高価なサーバがなくても、プロキシサーバ&ドメインコントローラの実装はお任せください!

 
会社概要
 会社名称

株式会社仙南情報技術センター
http://www.jet.ne.jp/

柴田郡大河原町字小島2番地1
ショッピングセンターフォルテ くらし館1F

 設立年月日

平成13年1月1日

 従業員数

13名

写真:
年中無休なので、なかなか全員そろっての行事はできませんが、その分飲み会の参加率は高く、人が変わったように楽しく飲んでいます。昨年は初めて芋煮会をやりました!
   
 

※1:アクセスポイント

インターネットサービスプロバイダが、ユーザのモデムから電話回線を介した接続を受け付け、インターネットに接続するために設けた施設。利用者はアクセスポイントまでの電話代とサービス利用料を支払うだけで、インターネット接続が可能となる。

※2:ダイヤルアップ接続

電話回線などの公衆回線を通じてインターネットに接続すること。一般家庭からインターネットに接続する場合、パソコンにモデムなどの機器を接続し、インターネットサービスプロバイダに公衆回線を通じてダイヤルアップして、業者の保有する専用線を使ってインターネットに接続する。

※3:オープンソース

「ITことばナビ」4月号の記事をご覧ください。

 
『NAViSインタビュアーから』
 晋山社長がJETを設立されたきっかけにも驚きましたが、オープンソースを使い、全て独学で通信ネットワーク環境の構築、各種システムの開発しているという、JETの技術力の高さに感服しました。

 「会社はかなり自由な雰囲気」とお聞きしていたとおり、事務所内には和やかな雰囲気を感じましたが、お話をお伺いする中で、一人ひとりが高い志と目標を持って仕事に取り組み、スタッフの方々が互いに切磋琢磨しあっているのだと感じました。
 
今回はワタシが取材しました!

 ここには書ききれないくらい、本当にたくさんのお話を伺うことができて、「“やりたい”と思ったことには、迷わずチャレンジしていこう」、「自分の好きなことに一途に打ち込んでみよう」と気持ちを新たにいたしました。

 お忙しいなかお時間をいただき、重みのあるお話をいただきました晋山社長、相良取締役、本当にどうもありがとうございました。

 
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