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トップページ > 注目企業インタビュー > #024 データコム株式会社
注目企業インタビュー
このコーナーでは、システム開発や情報サービス提供等で、「地域の情報化」に取り組むIT関連業種において、注目を集める話題の企業さまに突撃インタビューを行い、会社の独自性や将来について深く語っていただいた内容を掲載しています。
 
感動と価値を提供するグローバルな経営 データコム株式会社
 

 データコム株式会社(以下 データコム)は、流通、小売業界の情報分析に特化したシステムやパッケージをグローバルに提供しようと、1994年4月に、宮城県仙台市において設立された。現在では看板商品の d3, Customer Journal が、国内有数の企業を含む多くの流通小売業者で稼働している。

 今回は、小野寺修一 代表取締役社長(以下 小野寺社長)と、地主雅信 ネットワークシステム部取締役部長(以下 地主さん)、そしてキーパーソンの鈴木昌幸 部長(以下 鈴木さん)をお訪ねし、今後の事業の展開や会社のビジョン等についてお話を伺った。

 
主力商品
d3
(ディースリー)
小売業向け商品分析パッケージシステム、POS販売データからの商品分析を行う、全国シェアNo.1(2008年6月現在)
Customer Journal 顧客動向の把握、戦略・施策の立案などを目的とした顧客分析システム
 
グローバルな事業展開

  「ソフトウェア会社であれば、仙台、東北だけでなく、全国、世界を見据えなければならない」という小野寺社長。「優れたパッケージ製品等であれば、すぐに全世界をターゲットにできる。だが実際、仙台の企業で世界を見据えた活動をしている会社は、そう多くはないのではないでしょうか」とおっしゃる。
 
  たとえば、北海道の某スーパーでは、なんとその会社の中にフィンランド領事館を開設しているという。「当社のお客様でもある流通業者の業界において、北海道の流通業者等は同じ緯度の北欧やカナダ等、世界を見ています。気概が違うんです」ということらしい。

小野寺社長(中)、地主さん(右)、鈴木さん(左)
小野寺社長(中)、地主さん(右)、鈴木さん(左)


 データコムでは自社の製品であるソフトウェアをどのような顧客に販売しているのだろうか。「実は仙台、宮城のお客さまは少ないのです」という驚きのご発言。「東京、大阪を中心に業界有数の大手スーパーさんにお客さまになっていただいています」ということで、このあたりも、データコムのグローバル志向が表れているのではないだろうか。
 

 日本最大の流通系展示会「リテールテックジャパン」にかなり大きい規模で出展しているというデータコムだが、「展示会では、売り込むということではなく、われわれが楽しもうという気持ちで参加しました。ほかの出展社からも、なぜかデータコムのブースだけ元気がいいと好評でした。また、アメリカやヨーロッパ、中国のからの訪問者からも興味を持っていただけました」とのこと。今後はソフトウェアの英語版、中国語版の製品化も検討したいそうだ。 リテールテックジャパンでの模様
 
教育の問題とインターンシップ
 「私どもは小売業様向けのシステム開発をやっているのですが、政令指定都市で大きい地方スーパーがないのは仙台だけなんですね。東北を見ても、山形、福島、岩手等は大きなスーパーがあって宮城に進出したりしています。小売業だけを見ても仙台は活気がないんです。また、ソフトウェア企業を見ても仙台で上場している会社は少ないんですね」。現状は確かに不甲斐ないともいうべき状況だが、果たしてどういうことが影響しているのだろうか。
 
 「何が悪いんだろうと考えました。私は教育だと思っています」
 東京の知人のベンチャー企業があっという間に上場したとの話を聞き、小野寺社長はその秘訣を聞いたという。すると、優秀な人材確保のためにインターンを何百人と大量に受け入れていることがわかったそうだ。
 
 一方データコムでは、昨年、経済産業省の社会人基礎力育成・評価手法開発プロジェクトを宮城大学との合同で手掛けた。宮城大学の教授と学生たちとチームを組んで臨んだプロジェクトであったが、最初は学生たちのやる気もなく、どうなる事かと思ったのだそうだ。
小野寺社長(右)と鈴木さん(左)
小野寺社長(右)と鈴木さん(左)

一旦はあきらめムードであったのだが、その後、学生たちのやる気も徐々に高まり、ついには全国大会への出場権を獲得するまでに至った。
 
 このような経験からデータコムは学生のインターンシップの受け入れに積極的で、「インターンシップは何人でも受け入れたい気持ちです」とおっしゃる。また、大学との共同研究なども積極的に行っている。
 
最近では、職場体験としてではあるが、中学生まで受け入れている。中学生だからこそ、職場体験を通じ学校や家では教えてくれないような体験や学習ができるはずとお考えのようだ。「このようなことを通じて仙台の教育を活性化させたい」とおっしゃっている。

 
 
会社設立は目標を決めて実行

 某大手ベンダーに勤めていらっしゃった小野寺社長だが、会社設立のきっかけを聞くと、「40才になったら独立すると心に決めていました、それだけです」とのこと。簡潔ではあるが、強い意志とビジョンがあったのだろうと想像できるような、自信に満ちたお言葉であった。
 
仙台での会社設立はたまたまで、『地元が仙台だったから』ということ以外に特に理由はないという。「今となっては東京の方が良かったかなと思うこともあります」とおっしゃるが、一方、今では仙台、宮城の地元企業の活性化にも興味があるという。「この仕事を辞めたらぜひやってみたいことがあります。地元ベンチャーを育成するようなコンサルティングをやりたいと考えています」ということだ。企業経営で培った豊富な経験をぜひとも次のステップで活かしていただきたいものだ。

 
 
マラソンでビジネスの基礎を

 何か会社でブームになっていることなどはないでしょうかという質問に、「現在、マラソンがブームになっています、今のところ私だけですけどね」と、小野寺社長からお答えいただいた。
 
先日も岩手の錦秋湖マラソンに出掛けてきたばかりという小野寺社長。錦秋湖マラソンは前日の花火大会が素晴らしかったとのこと。「谷間で花火を上げるため、音がこだまして素晴らしい迫力になるんです」とおっしゃる。
 
  その他、全国・海外の数多くのマラソンに参加されている小野寺社長だが、ホノルルマラソンでも完走を果たし、特に思い入れがあるという。「ホノルルマラソンには感動があるんですよ。他のマラソンも同じ42.195kmですが、感動という点ではホノルルマラソンが素晴らしいです。私はいつも、ビジネスで成功するには感動づくり、感性だとも言っています」
 
 感性という面では、地主さんも負けてはいない。毎週ライブハウス等に出かけては音楽と触れ合ったり音楽活動をしているのだという。
 
 小野寺社長の次の目標はニューヨーク、ロンドン、ベルギー、それにボストンの各都市のマラソンへの出場だという。「ボストンに本社を持つ会社と業務提携を結んだのはマラソンのためでもあるんです」と冗談とも本気ともつかないことを笑いながら話してくださる。
 
 「朝、ホテルの周りを走っている人も結構いますね、もう走ることはビジネスマンの常識といってもいいのではないか」と笑いながらとおっしゃる。体力作りにもなるし健康増進にもなる、また集中して仕事に取り組めるそうだ。
 
 マラソン大会などに出ると、30代40代の人たちが少ないのがよくわかるらしい、またそれらの年代の人たちほどすぐに歩いてしまうのだという。なかなか耳の痛いお話であった。

 
 
d3(ディースリー)開発の要
 キーパーソンはパッケージシステム部の鈴木さんである。
 
 鈴木さんはd3(ディースリー)に至るまでの商品分析パッケージシリーズを初期の段階から手掛け、現在の製品レベルまで高めた立役者である。ここまで来るのに9年程かかったという開発の道のりで苦労した点などを伺った。

パッケージ商品を手掛ける前は、データコムも受託開発が主な業務だった。そのため、お客様に近い位置で作業することも多く、様々な意見を聞いているうちに、大量のデータを扱った分析業務ができないかというアイディアが出てきたという。
キーパーソン パッケージシステム部 鈴木さん
キーパーソン
パッケージシステム部 鈴木さん

そしてそのアイディアは、持前のチャレンジ精神で何とかしてみせよう、という意気込みで徐々に形になっていった。「当時は日本全国を見ても類を見ないアイディアだったと思います。類似するシステムとして巨額を投資した大がかりなものはあったのですが、パッケージで、しかも現場部門の意見を取り入れて使いやすさを目指したシステムはなかったと思います。」
 
 当時はパッケージ商品という形態を手掛けるのが初めてであったこともあり、サポートや品質管理の部分で、新たなスキルを要求されることになった。そういった困難や苦労も一つ一つクリアしていったという。
 
 現在では、大手ベンダー等が提供する類似システムと競合してもほぼ勝てるとおっしゃるシステムだが、開発の時に気をつけている点などはどんなことだろうか。「バックエンドでどんなに難しいことをしていても、操作性や画面表示などで分かりやすさを出すこと、利用者の使いやすさというところを主なコンセプトに開発を行っています。システムは主に経営者の判断で導入されることが多いのですが、実際にシステムを使っていただく現場の方の利用率も上がっています。」
 
 今後の展望に関しては、「今後は分析後のデータをいかに活かすか、といった部分に関しても取り組んで、お客さまと一緒に伸びていきたい」と小野寺社長もおっしゃっていた。
 

鈴木さんは製品のシステム開発以外にも、なんとパッケージデザインやポスターデザインまで手がけているという。
 
 開発で忙しい中にもかかわらず、鈴木さんは前出の社会人基礎力育成・評価手法開発プロジェクトで講師を務めていらっしゃった。「最初はチームの学生のやる気もなく、実は途中で半ば諦めていました。それで学生に『主体的にやってくれ』と突き放したところ、学生側から反応があり、その後はうまく進めることができました」
 
 プロジェクトでは、顧客でもある某薬局の店舗内の場所を借りて実証実験を行うこともできた。学生が主体的に参加するようになってからはスムーズに事が運ぶようになり、宮城県の代表として選ばれるに至ったという。
自身でデザインしたポスターとともに
自身でデザインしたポスターとともに
 
Customer Journal では先進的な取り組み

 データコムのもう一つのパッケージ商品の柱は、顧客分析システムの「Customer Journal」である。新バージョンからは、データベース・エンジンも含め全て自社開発したそうだ。それも、最近注目されているインメモリデータベース方式を採用している。「RDBではないところがミソなんです、処理性能向上のため、独自構造と独自処理を組み込みました」と地主さん。RDBのような構造にしたときに発生する大量のJOINやSORTのような処理を省き、速度向上を狙っているということだ。「先ごろは64GBのメモリを積んだサーバーを使ったシステムを納入しましたし、現在はそれ以上の規模の案件も進行中」とのことで、同種のシステムにパフォーマンスで大きく差をつけることになりそうだ。

インメモリデータベース 通常データベースのデータはファイルに保存されハードディスク上に保持されるが、インメモリデータベースではデータをメモリ上に展開する。検索、更新などが通常のデータベースに比べて圧倒的に速い。
RDB:リレーショナルデータベース データを表のような形式で表し、その関係を連結させてデータを検索したり、更新、挿入ができるデータベース。現在もっとも一般的なデータベースの管理方式。
JOIN:データベース表の連結 リレーショナルデータベースでデータを複数の表から関係に基づき検索、抽出する際に発生する処理
SORT:並べ替え データベースの検索結果等を並べ替える処理
 
イベントでは社員のプロモーションビデオも

 社内行事やイベント等の活動について伺ってみた。
「毎年の行事といえば泊まりがけの忘年会、お花見、いも煮会兼ソフトボール大会等があります」ということだ。
 
泊まりがけの忘年会では個性的な出し物が披露されるらしいのだが、はやりの芸人ネタ等も出たりする。「これが酷いもので、前回は小島よしおをやっていました、海パン一丁で、体型もひどいし胸毛もあったりして、これはもう会社の品格を落としかねない」と地主さんは苦笑されていたが、ぜひその写真を載せましょうという我々の言葉に、写真をお貸しいただけた。

宴会芸では小島よしおの真似(?)も
宴会芸では小島よしおの真似(?)も

 データコムでは、全体会議や前出のリテールテックジャパン等のイベントで映像として流すプロモーションビデオのような作品まで、自社内で作成しているという。社員全員が出演するそのビデオの作成は、今までは社員の手弁当でやっていたのだが、前回からは会社で本格的なビデオ編集機まで購入したという気合の入れようだ。社内外で非常に好評を得ているということだ。

 
 
地域の課題に対応するためにもグローバルな視点を

 社長に会社の今後などについて伺った。
 
 「仙台のベンチャー企業のミーティング等に参加すると、とても優れた技術を持っていて、能力を持っている人がたくさんいることがわかるんですが、なぜか伸びてこないんです」という。いい技術を持っていても発展がないというのは寂しいことであるが、なぜなのだろうか。「なぜ伸びないのか、何が原因なのかを反省を含め考えなければいけない。こういうことは、今まで誰も議論していないんです。そういうことでは、先に行っても進歩はないと思うんです。こういうことを、今一度、先に行く前に、仙台、宮城の人と議論しなければならないと思っています」とおっしゃる。地域の発展には何が必要なのか、グローバルな視点で考え直さなければいけないということだ。

 
会社概要
会社名称:

データコム株式会社
http://www.datacom.jp/

所在地:

仙台市青葉区本町1-13-22 仙台松村ビル6F

設立:

設立 平成6年4月8日

従業員数: 41名


 
 
NAViSインタビュアーから
インタビュアー

 インタビューの間、宮崎からわざわざ来ているという入社希望者の面接が行われていて、小野寺社長や地主さんが途中席を外された。このように全国から就職希望者がやってくるデータコムだが、これからはますます地元への貢献をしていかれるということである。

 

 また、社長からはNAViSに関しても、「初期のNAViSは目的から遊離していた、産学官の産が抜けていた」と厳しい御意見が。「私は仙台でもっとも辛口の社長ですから」と笑われていたが、貴重なご意見が聞けて、我々も大変ためになるひとときであった。
今回のインタビューは楽しいお話も交え、長時間になってしまい貴重なお時間をたくさん頂戴した、深く感謝申し上げたい。

ライター
 
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